【情熱の分析家・河治良幸の一言解説】ACLラウンド16突破。柏レイソルの誤算と勝因とは何か?
2015 05/27 18:33
2戦合計4-4...柏はホームで敗戦も、アウェーゴールの差で2年ぶりの8強へ(ゲキサカ)
[5.26 ACL決勝トーナメント1回戦第2戦 柏1-2水原三星 柏]
敵地でのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメント1回戦第1戦で、3-2の勝利をおさめた柏レイソル。日立柏サッカー場で水原三星(韓国)を迎えた第2戦では、2点を先行されてスコアをひっくり返されるも、MF小林祐介が意地の一発。2戦合計4-4となったが、アウェーゴールの差で柏が2013年以来となる準々決勝へと駒を進めた。
情熱の分析家・河治良幸の一言解説
柏の吉田達磨監督によれば、アウェイゴールのアドバンテージをなるべく意識しないようにした試合だったそうですが、「3−2という結果はピッチに立ってみると非常に重たい」という言葉どおり、相手の出方も含めて難しいシチュエーションの試合になりましたね。
特に最も警戒していた左サイドのヨム・ギフンが故障で下がったと思ったら、交代で出て来たソ・ジョンジンが右利きながら縦の突破力に優れる選手で、「両ワイドのサイドアタッカーによるカウンターは想定外」と吉田監督が振り返る攻撃にかなり苦しめられました。
1トップのチョン・テセも最初は中央で鈴木とエドゥアルドに挟まれていましたが、途中から右のワイドで縦のボールを受け、右サイドのコ・チャウォンに落とす形からチャンスを生み出していました。
ただ、そうした状況でも最後のところでGK菅野孝憲を中心に粘っていただけに、ワンツーからの突破がオフサイドになった直後のリスタートでシンプルなボールをゴール前のチョン・テセに入れられ、そのまま豪快なフィニッシュでゴールされてしまったのは、正直に言えばもったいなかったとも思います。
CKからトータルで一度逆転を許す結果になった2失点目にしても、エドゥアルドのクリアミスからの形で残念な失点。しかし、そこで下を向かずに狙いの速攻からクリスティアーノとレアンドロが絡んで、最後に小林が叩き込む形で再び形勢を逆転してみせた点にこそ、柏の強さを見出すべきでしょう。
その後、相手が4トップのようになってからの対応も厳しかったですが、終盤の5バックに変化しての対応も含め、よく守り切ったと思います。ACLのタイトルはいまやJリーグ、いや日本サッカーの悲願。「『いったん今夜でACLモードはスイッチオフにしてJリーグに向かいましょう』と選手に話した」と吉田監督。準々決勝では再びスイッチをオンに入れ直した状態での柏らしい戦いを期待しています。