【川端編集長のニュース一言解説】新生日本代表発表。藤春廣輝、永井謙佑選出の意図は? あと、トルシエさんにちょっと似ていますよね
2015 03/20 08:59
ハリルホジッチ新体制で初の代表発表! FWに宇佐美、興梠ら(サッカーダイジェスト)
今回選ばれた正式メンバー31名とバックアップメンバー12名は以下のとおり。
GK
川島永嗣(スタンダール・リエージュ/ベルギー)、東口順昭(G大阪)、西川周作(浦和)、権田修一(FC東京)
バックアップメンバー
林彰洋(鳥栖)
DF
水本裕貴(広島)、長友佑都(インテル/イタリア)、槙野智章(浦和)、森重真人(FC東京)、太田宏介(FC東京)、藤春廣輝(G大阪)、内田篤人(シャルケ/ドイツ)、吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)、酒井宏樹(ハノーファー/ドイツ)、酒井高徳(シュトゥットガルト/ドイツ)、昌子源(鹿島)
バックアップメンバー
千葉和彦(広島)、塩谷司(広島)、鈴木大輔(柏)、車屋紳太郎(川崎)
MF
今野泰幸(G大阪)、長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)、香川真司(ドルトムント/ドイツ)、清武弘嗣(ハノーファー/ドイツ)、柴崎岳(鹿島)、青山敏弘(広島)、山口蛍(C大阪)
バックアップメンバー
高萩洋次郎(ウエスタン・シドニー・ワンダラーズ/豪州)、米本拓司(FC東京)、大森晃太郎(G大阪)、谷口彰悟(川崎)
FW
興梠慎三(浦和)、岡崎慎司(マインツ/ドイツ)、本田圭佑(ACミラン/イタリア)、小林悠(川崎)、乾貴士(フランクフルト/ドイツ)、武藤嘉紀(FC東京)、永井謙佑(名古屋)、大迫勇也(ケルン/ドイツ)、宇佐美貴史(G大阪)
バックアップメンバー
豊田陽平(鳥栖)、川又堅碁(名古屋)、柿谷曜一郎(バーゼル/スイス)
かわばた編集長の一言解説
ハリルホジッチ新監督の口から新生日本代表メンバーが発表されました。完全に劇場型の発表会にまず驚かされましたが、31名という大所帯になることは事前に分かっていたので、選ばれた顔ぶれについて大きなサプライズはなかったように思います。
「候補の候補」と呼ぶべきバックアップメンバーまで公にしたのは少々驚きでしたけれど、あれは実績のない選手へ高い意識を持つように促すメッセージであると同時に、柿谷曜一朗のような落選組への配慮もあるのかなと思いました。現実的には海外組の“追加招集”は難しいですから、名前を載せておくことに意味があったのだろう、と。
FW永井謙佑(名古屋グランパス)とDF藤春廣輝(ガンバ大阪)というJリーグを代表する俊足プレーヤー二人が選ばれたのも示唆に富みます。純粋に足の速さで勝負できる選手がほとんど見当たらないというのは日本代表の弱みでしたから、永井の選出は自然な判断でしょう。藤春も馬車馬系のスピードスターで、しかもこれまた日本代表を観ていると必ず感じる「左利き不足」を補えるタレントです(奇しくも、前任のアギーレさんもそうでしたね)。今年で27歳になるのにまだまだ粗削りな点は気になりますが、その弱みをロシアW杯までの期間で補えるかを見定めたいということもあっての招集だと思われます。
左利きの左サイドバックと言えば、筑波大出身のルーキー・車屋紳太郎(川崎フロンターレ)もバックアップメンバーに入ってきました。スピードでは藤春に及びませんが、技術と戦術眼を備えた選手。同じく筑波大出身でバックアップメンバーに入ってきたDF谷口彰悟(川崎F)もビルドアップ能力に秀でた万能タイプで、彼らをこの枠に入れてきたのは興味深いですね。
もちろん、ご本人が認めているとおり、「探す時間が足りていなかった」のも確かでしょうから、今回のメンバーでどうこう言い切るのも危険でしょう。ただ競争心を徹底して煽っていくことを主張するあたりや「自身の言いたいことを言い切る」会見のスタイルを含め、あらためて2002年日韓W杯時の日本代表監督だったフィリップ・トルシエさんと少し似ていますよね。就任会見のときも記者仲間とそんな話になりましたが、単にフランス語を話すからというだけではないように思います。