ゼロックス杯【G大阪vs浦和】ミハイロ・ペトロヴィッチ監督会見全文『80分は我々がゲームをコントロールしていた』
2015 02/28 18:43
2月28日(土)(13:35KICKOFF/日産スタジアム/47,666人)
ガンバ大阪 2-0 浦和レッズ
得点者:68'宇佐美 貴史(G大阪)90+4'パトリック(G大阪)
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○ミハイロ・ペトロヴィッチ監督
非常にいいゲームができていただけに、この負けは非常に痛い。試合を通して80分くらいは我々がしっかりとコントロールしながらできていたと思うが、セットプレーから失点したのは残念だ。昨年のシーズン終盤を思い出させる敗戦だが、水曜にアウェイでACLを戦い、実質的に中1日で臨んだ中で選手たちは非常に立ち上がりからアグレッシブに運動量多く我々のサッカーを見せてくれた。内容でも上回れていたし、いいゲームをできていたので負けという結果は残念だけど、選手たちはACLからすぐでよく戦ってくれた。
――ACLからメンバーを5人、特に1トップ2シャドーを入れ替えたが、彼らの出来は?
非常にいいゲームだった。キャンプから厳しい連戦を戦う今シーズンの日程を踏まえて準備してきた。前の3人はACLから代えたけどよかった。G大阪は10人で自陣に引いてブロックを作ってきたけど、真ん中、サイドと使い分けながら攻撃できていたと思う。
――昨シーズンの一番良かった頃と比べると、動きの効率が足りなかったように見えたが?
我々の今日のコンビネーションが良くなかったというのであれば、ガンバはどうであったろう。少なくとも我々は引いた相手に対しても、攻めていこうという姿勢は見せていた。まだ公式戦が始まって2試合、昨シーズンのベストな状態に持っていくには時間がかかると思う。ただ、大切なのはシーズンが始まった中で、選手たちがしっかりと走り、戦い、自分たちの戦術を意図を持ってプレーしていること、それが非常に大事だと思う。
我々は水曜日にACLを戦い、木曜日の朝に向こうを出発して、夕方に戻り、実質的に中1日でのゲームだった。ガンバはACLのホームゲームを火曜日に戦っていて、そういったチーム状況の違いがあるが、日本ではあまりそういうところを比較される方は少ない。我々も与えられた日程に対して言い訳はしたくないが、そういう状況であったとは言える。
負けはしたけど、我々はピッチの上で相手よりもいいプレーをしていたと自負している。日本では結果だけが尊重され、結果で物事をすべて見られる傾向が強いと思うけど、私は自分たちがこういった内容のいいサッカーを続けていけば、必ず勝ち星は遅かれ早かれついてくると確信している。
もちろん、今よりももっといいサッカーができると思っているし、シーズンが進んでいく中で精度は上がってくると思っているし、内容も結果もついてくると思う。サッカーが専門的にわかる方であれば、我々がどういった意図を持ってサッカーをしているかがよく理解できると思う。自分たちのコンセプトを元に、アイデアを持ってプレーできていると思う。
ガンバは昨シーズンのチャンピオンだけど、自陣に引いてブロックを作って、あまりチャンスらしいチャンスをあまり作れていなかったのは事実。私自身はそういう風にサッカーを見ている。サッカーの見方が人それぞれ違うのは私も尊重するが、おそらく私は少しみなさんとサッカーの見方が違うのかもしれない。
みなさんに聞きたいのは、サッカーのルールで相手選手の蹴ったボールがオフサイドポジションにいた我々の選手に渡った時、それがオフサイドの判定になるのかどうか。みなさんはサッカーのルールをどのように理解していますか?
ガンバの選手がGKにバックパスしたのを手でキャッチしたら、それは間接FKになるのかならないのか。みなさんが知っていたら教えていただきたいです(笑)。
リーグ優勝がかかった昨シーズンのガンバ戦も、前半にPKが疑われるようなシーンがあったと思う。ファールした選手はレッドカードではないのかと思ったが、そういった判定がどうであれ、優勝がかかるような試合であれば、そうしたシーンはクローズアップされ、判定に関するディスカッションがあってもいいのではないかと思う。もちろん、過去の出来事、判定に対してとやかく言うつもりはないが、そういった部分はサッカーにおいて、結果に反映されることはよくある。1つのタイトル、1つの勝利にはいろんなものが影響を与える。私は今日、敗戦した監督としてこの記者会見で話をしているが、レフェリーも公の場でそういった説明をしてもいいのではないかなと思う。
レフェリーがある試合で大きなミスをすれば、ヨーロッパであれば家の外から出られないような状況になるのが普通だけど、日本がまだそこまででないというのは日本の環境が非常にいいということで幸運なことだと思う。
我々のシーズンはまだ始まったばかりだし、この敗戦は決してマイナスに捉えるものではない。この負けであれば、このチームを引き続き前に進めていくことができる。我々の狙いとしているところは出ていたと思うし、昨シーズンと比べても新しい戦術の取り組みが見られたし、それが上手くいっていたゲームだった。
――ACLの試合が続くが、これまでの2試合をどう生かしていく?
非常に難しい質問です。チームは連敗し、非常に厳しい結果を見せつけられている。2試合とも小さい部分で失点して負けている。水原では相手の上げたクロスがDFに当たって方向が変わってゴールした。2失点目も相手の意図したようなセットプレーでなかったと思うが、ゴール前1メートル位のところでこぼれてきたボールを触られて失点した。今日もセットプレーで失点したが、ああいったちょっとした部分、小さなミスですべて失点するような状況に陥ると、選手たちは必要以上に神経質になる。
ドイツ・ブンデスリーガでは、ボルシア・ドルトムントは4節前まで最下位だった。ドルトムントはいいゲームをしながら0-1で負けてしまうような試合が続いていた。そういうなかでサポーターのプレッシャーがあるし、選手のメンタルへのプレッシャーは大きい。ACLの第2戦があるが、我々のグループは決して簡単なグループとは言えない。次に対戦するブリスベン・ロアーはアジアチャンピオンであるオーストラリアのチームであり、この前対戦した水原の韓国はアジアカップで決勝を戦った2強の国だ。
我々にはサポーターからのプレッシャーもあるだろうけど、選手たちはそういったプレッシャーを跳ね除けるだけの力は十分にあると思う。必要なのは1つの勝利であり、それによって選手たちが再び確固たる自信を持ってプレーすることにつながる。自分の選手をよく知っているが、彼らは厳しい状況のなかでもすべての力を注いでそのプレッシャーをはねのけてくれると思う。
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