【水戸ホーリーホック】練習試合レビュー『徹底された前への意識。見えてきた2015年版水戸ホーリーホック』
2015 02/09 12:32
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今回は水戸ホーリーホック専門WEBマガジン「デイリーホーリーホック」から今年の水戸ホーリーホックの戦い方に関するコラムになります。
【レビュー】練習試合 ブリオベッカ浦安戦 「徹底された意識付け。濃厚に出ていた『新生水戸』の色」(2015/2/1)(デイリーホーリーホック)
(C)佐藤拓也
練習試合 35分×4本
水戸2(0-1、1-1、0-0、1-1)3浦安
得点者(水戸のみ):三島康平、小原伯義(ユース)
▼地域リーグのチーム相手の敗北は重く受け止めなければならない
ひたちなかキャンプ最終日の1月31日、関東社会人1部リーグ・ブリオベッカ浦安との練習試合(35分×4本)が行われた。1週間前に水戸ユースと練習試合を行ったとはいえ、あくまで相手は高校生であり、実質的にこの試合が今年初の練習試合。そこで「新生水戸」の目指すサッカーを垣間見ることができた。
結果は2対3の敗戦。主力組で臨んだ1・2本目も1対2で敗戦しており、たとえ調整段階でも、地域リーグのチーム相手に負けたという事実は重く受け止めなければならない。試合後、キャプテンの船谷圭祐は「負けてしまったので、そこは絶対にダメ」と唇を噛んだ。
とはいえ、練習でやったことしか試合には出ないもの。チームが始動して2週間。これまで取り組んできたのは主にフィジカルトレーニングであり、戦術に関しても「個人戦術」と「グループ戦術」がメインで、「チーム戦術」はほとんど行われていない。
それゆえ、プレスのタイミングやラインコントロールなど細かなところの意思疎通が図れておらず、簡単に突破を許したり、DF裏にロングボールを入れられてピンチを招くシーンが多く見られた。
ただ、それは現段階では致し方ないこと。これから修正していけばいい。この段階で重要なことはチームとして取り組んでいることを出せているかどうかである。結果に固執しすぎて、自分たちのやるべきことを見失ってしまっては、練習試合の意味はない。
今季のチームコンセプトを選手たちは強く出すことができていたという点で、敗れはしたものの、意義のある練習試合になったと言える。
▼「前へ」「3+1」。意識付けは徹底されていた
チーム始動から徹底して意識付けされてきたのは「早く攻めること」だ。「ボールを奪ってから10秒以内にシュートする」(三島康平)をコンセプトにトレーニングが行われてきた。
その中でキーワードとして選手たちに伝えられてきた言葉は「前へ」と「3+1」である。
「前へ」は言葉通り、前にボールを運ぶということ。ボールを奪ってからの第一選択肢は「前」であることを意識付けしてきた。
実際、140分間、バックパスは非常に少なく、ボールを前に運ぼうという意識が強く見られた。無理に縦パスを入れようとして、相手のプレスに引っかかって、速攻を食らうことも多く、縦パスを奪われてサイドを崩された1失点目はまさにその象徴であったものの、この段階で最も重要な意識付けに関しては、十分合格点を与えられる出来であった。
もう一つは「3+1」である。これは以前から柱谷サッカーのキーワードとなっている言葉で、ボールホルダーに対して、1人が足元でボールを受ける位置に立ち、1人が裏に抜けることで「3」を作って局面の打開を狙う。そして、相手の守備を狭いエリアに寄せておいて、空いた対角線の位置を逆サイドの選手が入ってボールを引き出す。それが「+1」である。
この試合では「3+1」の状況を作って、チャンスを作り出した。「新生水戸」の色は濃厚に出ていた。
もちろん、結果が示すように、内容がよかったわけではなく、多くの課題が浮き彫りとなったゲームであった。ただ、それはトライしたからこそ見えたものであり、決してネガティブに捉える必要はない。
大事なのはこれから。本格的にチーム戦術に取り掛かり、練習試合やゲーム形式のトレーニングが増えていく中で精度と連係を高めながら進化していけばいい。「新生水戸」のチーム作りはこれから第二段階へと突入する。
「デイリーホーリーホック」ではこのほかにも
・【沖縄キャンプレポート5日目】2月8日練習試合対盛岡戦レポート 「『結果』と『若手のアピール』、2つのテーマをクリアした快勝」(2015/2/8)
・【沖縄キャンプレポート5日目】2月8日練習試合対盛岡戦後コメント 田中雄大選手「今のうちに勝癖をつけないといけない」(1008文字)(2015/2/8)
・【沖縄キャンプレポート5日目】2月8日練習試合対盛岡戦後コメント 麦倉捺木選手「後ろは見ないで、前を見てプレーをした」(922文字)(2015/2/8)
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