かわばた編集長の一言解説

　韓国代表が揺れています。ロンドン五輪で日本を破って銅メダルを獲得するというカタルシスをもたらしたホン・ミョンボ監督ですが、W杯直前にバトンを渡されてチーム改革を迫られるという難しい立場だったと思います。アジアのサッカー史に名を残した傑物ですし、こんな形で「消費」されてしまうのは、韓国サッカー界にとっての損失ではないかと個人的には思います。

「W杯の結果がどうあれ、アジアカップまでは続投」という当初の韓国サッカー協会の判断も、情緒的な部分を無視するならば合理的な判断でしょう（実際は無視できないのが代表チームの常ですが）。なにせ大会まで半年しかないですからね。日本を含めたW杯出場国はいずれも準備不足でこの大会へ突入せざるを得ません。本当にこの時期が開催に適切なのか。もう一度、アジアサッカー連盟は考え直すべきですし、日本も各国と協調して働きかけていくべきではないでしょうか。強化という視点でも、大会の興行という視点でも、マイナスが大きいように思います。

　韓国代表監督の後任最有力はファン・ソンホン（ファン・ソノンの表記でも知られる）監督（浦項）だそうで、Jリーガーだったホン・ミョンボの後任として、C大阪や柏で活躍した彼の名前が出てくるあたりは、あの時代のJリーグに韓国のスターが一堂に会していたのだという事実をあらためて思い起こさせますね。鳥栖のユン・ジョンファン監督も、そのうち候補に挙がってくるのではないでしょうか。