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サッカー専用スタジアムは例えるなら美人だ!ルヴァンカップ決勝で2,100億円の使いみちは見えた!【ルヴァンカップ決勝特集】

サッカー専用スタジアムが写真や映像に映し出された輝きは、美人である。

Jリーグは、新しい放映権料の契約で2,100億円を手にするが、そのお金は専用スタジアムの建築補助と映像制作の費用に当ててほしいと強く思わせたのが14日に行われたJリーグYBCルヴァンカップ決勝戦だった。

試合結果はG大阪と浦和の両チームが延長120分を戦い、最後にPK戦を制した浦和が栄冠を勝ち取った。

今回Jリーグは、Facebook、youtube、Twitter、instagramと主要なSNSを網羅した。アリバイ的なSNSでの発信ではなく、戦略的な意図を強く感じさせるコンテンツを、それぞれSNSの特徴に合う形で制作。決勝戦の前日には、今年国内で実装されたばかりの新サービスである「Facebook LIVE」利用し、「YBCルヴァンカップ決勝前夜祭」を映像で90分に渡りライブ配信した。YoutubeとInstagramでは「もうひとつのルヴァンカップ」と題し、お菓子のルヴァンにマッチするレシピを選手が紹介する”ゆるネタ”企画も行われた。また、Twitterでは簡易的ではあるが、速報性を重視し、優勝後の選手コメントを短い動画でバンバンアップした。

■FB LIVEの前夜祭


10月18日時点で86,000回再生されている。

■もうひとつのルヴァンカップ


もうひとつのルヴァンカップでは大会に参加していないJ2、J3のクラブも巻き込みゆるく大会を盛り上げた

■Twitterでの選手コメント


手ブレもしているし、画質もキレイではない。でもファンが求めているタイミングで出すことが大事。

他にもオフィシャルらしく、Jリーグ副理事長の原博実氏が試合後に選手へのフラッシュインタビューの動画を撮影したり、決勝前にはルパン三世や紙兎ロペとのコラボ動画が上がったりなど、様々な施策を行った。

しかし、どんなにオフショットやコラボ企画を発信したとしても、サッカー専用スタジアムがサポーターで埋め尽くされている絵の説得力にはかなわない。SNSで話題になることは非常に大事だが、目的は認知に留まらず、最終的に試合会場に足を運んでもらうことだ。そのためにはスタジアムの魅力的な雰囲気を伝えることが最も効果的で、サッカー専用スタジアムで撮影された写真や映像は「こんなに近くて一体感があるならスタジアムにいってみたい」と思わせるのに十分である。

写真1:浦和サポーター、圧巻のコレオグラフィ!
写真2:G大阪の見事なコレオグラフィ
写真3:【G大阪 vs 浦和】上空から見たコレオグラフティ

今回、Jリーグオフィシャルだけでなく、ファン・サポーターの各種SNSの写真や映像を見て、改めてサッカー専用スタジアムの重要性に気づかされた。

例えるなら、サッカー専用スタジアムが写真や映像に映し出された輝きは、美人である。周りを陸上競技場に隔たれたスタジアムは如何ほど席が埋まっていようとも、それは無粋である。あえて言おう、ブスであると!

■自由視点映像 ハイライト


キャノンの協力を得て実現した自由視点映像。これもサッカー専用スタジアムだからこそ映える。

この映像はまさに「美人をプロが描いた芸術作品」と言えるのではないか。サッカー専用スタジアムとハイレベルな映像技術のどちらがかけても、魅力は半減してしまう。だからこそ、Jリーグが放映権料の新契約で得る2,100億円は、サッカー専用スタジアムへの改修補助費と映像技術への投資に使ってほしい。それがJリーグの魅力を最大限に発信する最高の施策ではないか。


MCタツ

ニューヨーククイーンズ生まれ。ロンドン留学後、サッカーメディア業界へ。初代サッカーキングハーフ・タイムMCを経て、現在はフリーランス、プロサッカー動画コミュニケーターとして活動中。