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動く福岡魂・中倉一志

2016 12/27  07:59

アビスパ福岡からビッグクラブ・浦和レッズへの栄転移籍。田村友の「取扱説明書」


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(C)中倉一志

▼本職はボランチもJデビューはCB
「プロ3年目となる来シーズンは、新しい環境でチャレンジすることも自分自身の成長につながるのではないかと考え、移籍を決断いたしました。アビスパで積み重ねたことを自信に、1試合でも多く試合に出場し、みなさんにレベルアップした姿を見せられるよう全力で頑張ってきます」

田村友は20日、クラブ広報を通して、プロ入り後の2年間を支えてくれたファン、サポーターに向けてメッセージを送った。悔しい思いばかりが残る2016シーズンだったが、心機一転、新たな環境で飛躍を目指す。

福岡大学を卒業してプロの道を歩み始めたのは2015年。子どものころに初めて見た地元のプロサッカーチームでプロになることを夢見ていた、身長185cm、体重88kgの大型ボランチは、期待に胸を膨らませてプロのユニフォームに袖を通した。しかし、現実は甘くはなかった。練習で与えられたポジションはCB。練習試合ではボランチも含め、人数が足りないポジションを穴埋めするような役回りを強いられた。24試合を終えてベンチ入りを果たしたのはわずかに4試合。プロの壁に跳ね返される毎日だった。

プロ初出場は第25節のアウェイ京都サンガF.C.戦。けがのためにレギュラーCB二人を欠くという状況の中で回ってきたチャンスだった。大学時代にプレーしたボランチではなく、3バックの一角としての起用。チームにしてみれば、スクランブル態勢とも言える布陣だった。しかし、このチャンスを田村は逃さなかった。先制こそ許したものの、その後は相手の攻撃陣を確実に潰して追加点を与えず逆転勝利に貢献すると、以降の試合のすべてに先発。1試合を除いてフル出場を果たす。しかも、田村が出場した18試合で、敗れたのはわずかに1試合だけだった。

▼そもそも外国籍選手?
最大の特長は体の強さと高さ。福岡に加入したときに「自分の特長はフィジカルの強さ。そこは日本の誰にも負けないくらいの自信がある」と話していた通り、1対1のぶつかり合いでは絶対の強さを見せる。ルーキーイヤーのジュビロ磐田戦でジェイとマッチアップした際も、競り合いで完全に主導権を握り、ジェイが嫌がってサイドへ逃げてしまったほど。外国籍選手に対して、まったく負けない強さは、井原正巳監督をして「そもそも田村も外国籍選手のようなもの。強さは負けない」と言わしめた。また、もともとのポジションがボランチだったこともあり、正確なフィードも持ち味。ボールを的確に配れる能力も併せ持つ。

また、物おじしない性格もプロ向きと言える。何ごとにも動ずることのない態度は、一見、力が抜けてしまっているように見えるが、いざ試合が始まると表情が一変。力強いプレーで相手をはね返していく。「昔から、試合前に入れ込み過ぎることはない。本番のほうが強いタイプ」と本人も話す。

悔やまれるのは、2016シーズンのキャンプでコンディションを崩して出遅れてしまったこと。その影響でファーストステージの出場は10試合に留まり、思うようなパフォーマンスを発揮することができなかったことで、2ndステージでは6試合にしかピッチに立つことができなかった。本人にすれば、ポジション争いに負けたというよりも、自らの力を十分に発揮することができずに消化不良に終わった1年だったと言える。

それでも、2016シーズンは、CBのほかにも、中盤の守備固めのためにボランチで起用された際にも、フィジカルの強さや、ボールを配給する能力の高さは見せた。シーズン当初の出遅れを取り戻すことができずに不安定なプレーも目立ったが、決して力が足りなかったわけではない。J1屈指の強豪チームの厳しい競争の中でポジションを得ることは簡単なことではないが、心機一転、新たな環境でプレーすることで、本来の力を取り戻すだけではなく、さらなる成長への期待も高まる。本人にとっても大きなチャンスと言える今回の移籍で、どこまで力を伸ばせるかに注目である。

中倉一志

1957年2月生まれ。福岡県出身。小学校の時に偶然付けたTVで伝説の番組「ダイヤモンドサッカー」と出会い、サッカーの虜になる。大学卒業後は、いまやJリーグの冠スポンサーとなった某生命保険会社の総合職として勤務。しかし、Jリーグの開幕と同時にサッカーへの想いが再燃してライターに転身。地元のアビスパ福岡を、これでもかとばかりに追いかける。WEBマガジン「footballfukuoka」で、連日アビスパ情報を発信中。

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