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審判批評家・石井紘人

2016 12/02  17:51

CS『鹿島vs浦和』でのPK。家本主審へのバッシングに中田英寿を思い出す【石井紘人の審判批評】



▼ルールは変わっていく
日本サッカー界では、『サッカー競技規則』は重視されていないのかもしれない。

先日行われたJリーグチャンピオンシップ決勝第一戦『鹿島アントラーズvs浦和レッズ』の試合後(参考記事:審判批評)、PKをとられた鹿島アントラーズの選手はもちろん(参考記事:鹿島アントラーズ選手「浦和さん寄りだった」)、解説者たちやサッカー誌も家本政明主審を批判した。テレビ解説を務めた金田喜稔氏は「PKになるような接触ではない」と断言し、清水秀彦氏は「PKの場面を見ていて、ああっ、またいつもの流れかと頭を抱えたくなった。この試合を裁いていた主審は、私が監督をしていた時代から「PKとレッドカードを出すのが大好き」と評されていた(中略)ゴール前のポジション争いで生じるボディーコンタクトが『Jリーグでは一切NG』といっているようなものだ。海外のトップリーグなら、誰が見てもPKにはならなかった」と夕刊フジに寄稿している。

もちろん、判定の議論には是々非々があって良いと思うし、私も週刊審判批評で日本の審判員たちを厳しくチェックしている。

しかし、『サッカー競技規則』を無視した審判批判が日本サッカーの進歩を止めることは史実が物語っている。

遡ること13年前。FIFAコンフェデレーションズカップ2003のフランス代表戦で、日本代表はホールディングでPKをとられた。ジーコ日本代表監督(当時)はミスジャッジと批判し、多くの日本人も「フランス選手のシミュレーションだよ」と同調した。

しかし、いま冷静にリプレイを見ると、腕を使っていたのはあきらか。完全にホールディングであり、PKは妥当な判定だった。プレーを反省するのではなく、審判員に責任を押し付けたことで、日本人選手の悪癖は浮き彫りにならなかった。そこから7年間、日本人選手のホールディングは改善されることなく、2010年からJリーグは日本サッカー協会技術委員会と審判委員会が一体となってホールディング撲滅に取り組むことになる。2003年に、ホールディングを反省していれば、空白の7年間が生まれることはなかった。

『サッカー競技規則』をベースにせず、アバウトな「世界では...」で判定を批判してはプレーに発展はない。EURO2016『オーストリアvsハンガリー』や『ルーマニアvsスイス』『アイスランドvsハンガリー』(参考記事:EURO2016GL第1節第2節審判団ハイライト)でも、激しくなくても"ボールにプレーできる範囲外"の接触にはPKなど大きなジャッジが下されていた。それはリオデジャネイロ五輪を振り返れば一目瞭然である。

▼中田英寿氏の姿勢
先述したフランス戦について、試合に出場していた中田英寿氏の著書『nakata.net2003』(新潮社)に興味深い記述があった。
「(フランス戦の判定に)疑問に思うこともある。しかし、俺としては主審がどんな判定をしようが、出来れば何の抗議もしないでスムーズに試合を進めることに集中したいと思う。(昨日もちょっと抗議したけど、実は周りに促されてなんだよね苦笑)やはり、レフェリーも人間。間違えるときもある。と、こんな話を出したのは、別にPKが間違った判定だったと言いたいわけではなくて、みんなに、とにかく試合に集中しようと言いたかっただけ(中略)文句を言って、それで判定が覆るのなら(抗議も)ありかもしれないが、残念ながらサッカーの判定は絶対に変わることはない。主審に対して文句を言うことはただの時間の無駄だと思う」。

国際審判員だった岡田正義氏は以前「中田さんが新人の頃、『今のチャージは何でファウルなんですか?』と聞かれたので、『腰だからだよ』と伝えました。すると『分かりました』と言い、同じファウルチャージはしませんでした」と語っていた。中田氏は、ファウルとなることを理解し、プレーを変えたのだ。中田氏のチャージの巧さの秘訣ともいえるかもしれない。それこそが、選手と審判員が両輪となる関係性ではないだろうか。

解説者たちが現役の時と現在では、世界の判定基準は大きく変わっている。ゆえに、近年のプレミアリーグでは、サッカー解説者たちに『サッカー競技規則』や判定基準の啓蒙を行っている(参考記事:プレミアリーグの取り組みとは?)。『サッカー競技規則』や基準をベースに解説するだけで、視聴者のストレスが減るからである。

国際審判員として活動し、PKを見極めたレフェリー。近年の『サッカー競技規則』や世界の判定基準を語らない方々。ガラパゴス化しているのは、どちらなのだろうか?

石井紘人 Hayato Ishii

ベストセラーとなった『足指をまげるだけで腰痛は治る!』(ぴあ)に続き、サッカーに特化し、『SOCCER KOZO』(ガイドワークス)編集部と作った『足ゆび力 つま先を使うだけで一生健康でいられる』が絶賛発売中。また、審判批評に特化したFootBall Referee Journalも運営。ご意見やご感想はツイッター:@FBRJ_JPまで

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投票

納得(16票)

匿名(IP:124.27.51.144)

…は納得なんだけど、あのPKが妥当であるというのを競技規則に照らし合わせてこの文章に入れないといけないのでは?

2016年12月 2日 18:14

匿名(IP:124.27.51.144)

失礼、リンク先にその文章がありましたね。
削除していただければ幸いです。

2016年12月 2日 18:19

匿名(IP:202.143.92.132)

・競技規則を知らずに批判している(これには競技規則の改正を知らず、古い知識で批判しているのも同意です)
・審判への印象で批判している
・ファウルともノーファウルともとれるグレーなシーンを、判定結果に不服だからと「誤審」という言葉を使って批判している
このあたりが審判批判で問題な点だと思っています。

自分はだいぶ前から、上記のあたりを留意してサッカーを見るようにしています。
そうしたところ、審判の判断に対してのストレスは軽減しました。

審判の技量を上げる必要はあると思いますが、それと同時に見る側も見る技量を上げる必要があると感じています。

2016年12月 2日 18:21

匿名(IP:58.158.69.154)

代表戦のTV中継で 「あれはファールだろ!!」 って感情的に発言する解説者が定着した結果、
判定に対して感情的に批判する人が増えたなという気がしてますね。

2016年12月 2日 18:37

匿名(IP:118.238.237.98)

PKの件は納得ですが、家本主審は今回だけでなく何度も誤審してる前科があり、その辺も掘り下げて生地にほしかったですね

2016年12月 2日 18:42

匿名(IP:110.4.145.212)

解説者やサッカー雑誌評論家にサッカー選手経験者はいても審判経験者はどれくらいいるだろうか?
ほとんどいないであろう。
よって元選手は結局選手目線でしかサッカーを見ていないのである。
それに惑わされた素人の観客、視聴者は正しい競技規則も知らずに元選手というブランドに騙されていることになる。
もっと競技規則やルールの解説もする審判出身の解説者が出てきても良いのではないだろうか?
いつまでたっても観客、視聴者のレベルは上がらない。

2016年12月 2日 18:42

匿名(IP:121.111.190.211)

こういうのって主審も人間だからミスをするという論調だけど、本当にそうなのか?

どこからか指令があったのでは?
と思わざるを得ないくらい誤審が多い。

そこら辺を掘り下げてくれないと。

2016年12月 2日 19:14

匿名(IP:110.4.145.212)

今回のことと他や過去の誤審はごっちゃにしないで。
切り分け必要。
それこそイメージで固定観念できてしまってませんか?

当然誤審については検証と反省と改善は必要。
選手がミスをして挽回すれば評価されるが、審判はいつになったら挽回が評価されるのですか?
批判も必要だが評価もできる目を皆さん養ってほしいです。

2016年12月 2日 19:19

匿名(IP:1.79.35.184)

仰る通りだと思います。家本主審がレベルの高い審判だという事も良く分かりました。ただ、あのPK判定のシーンですが、映像を確認すると家本主審は鹿島のボールサイドを見ていて、西選手・興梠選手を見ていないように見えます。家本主審が両選手に顔を向けたのは、西選手の右足が興梠選手をブロックしている最中だったように私には見えます。これでは一連の流れを把握出来ず、正しいジャッジが出来ない可能性が高いと思うのですが。。(結果的には正しいジャッジになりましたが)私の気のせいでしょうか。

2016年12月 2日 19:29

匿名(IP:1.79.35.184)

失礼しました。上記、鹿島のボールサイドという記述ですが、浦和のボールサイドの誤りでした。訂正をさせて頂きます。

2016年12月 2日 19:32

匿名(IP:126.254.196.112)

例え家本主審が見えていなくても、追加副審の松尾副審が見ておられます。
ペナルティエリア内のファウル(シミュレーション含めて)を見逃さない為の追加副審です。
だからこそ、あれだけ素早く正しい判定が出来たのです。

2016年12月 3日 00:51

匿名(IP:49.239.64.113)

CKやセンタリングでハイボールがゴール前に入る場面に、審判は中の選手達を見ています。
基本中の基本でアマチュア審判でもそうです。高いボールを目で追いかけるのは選手と観衆
間違た所を注視しているようにはみえません。

中田英寿がどれ程に合理的な人かわかるエピソードですね

2016年12月 3日 01:15

匿名(IP:210.138.177.140)

誤審だったとしても、間違いが取り消される機会は無いので、誤審かどうかを考えること自体が無駄です。
競技規則を頭に入れる必要もない。
ただ淡々と選手を応援していればよい。

と言うのが昇格プレーオフでいろいろあった末にたどり着いた思いです。

2016年12月 3日 09:19

匿名(IP:106.161.96.136)

おっしゃる通り。モヤモヤが腑に落ちました。なぜこれほどまでに審判が偏見の目と批判に晒され人間性まで批判されるのか。元を辿れば正しい理解ができる情報元が少なすぎるから。協会からも発信する努力か必要ですね。

2016年12月 3日 09:30

匿名(IP:120.74.231.11)

競技規則に理解のある人がPK判定に理解を示し、
そうでない人が感情的になって批判的になってる。
競技規則がどうなっているのか知らせるべきなのは
経験者である解説陣だと思うんですがね。

2016年12月 3日 12:11

匿名(IP:114.17.152.100)

「あのPKが競技規則の解釈の範囲内でファールになった」って視聴者・観客・解説者の大多数が思っていたらこんなことにならなかった。たとえ、家本が10年先の日本のことを思ってジャッジしたとしても、他の審判と違うジャッジを繰り返してたら、それは独りよがりな審判って判断になってしまう。

2016年12月 4日 02:04

異論(10票)

匿名(IP:126.186.177.138)

この筆者の意見のように競技規則に乗っ取ってPKならば、CK、FKのたびにどこかしらで掴んだり倒したりは起きてるわけですしPKばっかの試合展開になるのでは。

あれがPKの判定基準なら鹿島にもPKが与えられて然るべきシーンがあります。

その辺も述べて初めて競技規則を理由にあれを誤審でないと言えると思うので記事として論点がおかしいと思う。

2016年12月 3日 09:37

匿名(IP:125.198.180.240)

じゃあ全部ああいうのファウル取らないとおかしいし、サッカー=PKだらけ、のスポーツになるよね。
ゴールデン帯であんな試合みせて一般層はどう思うだろう?演技が上手いコメディアンをFWに置いたほうがいいじゃん、と思われるだけ。というか既に思われ始めてるけど。

2016年12月 3日 11:08

匿名(IP:153.151.202.154)

競技規則的に俺が正しいと言うのは責任回避の議論に過ぎないと思うよ。
エンターテイメントを観てる側からすると、試合を壊す必要性、ゲームを決定付ける可能性が高い罰を与えるほどの反則行為かって視点も持って欲しいね。
あとそれこそ中立な文を書いてるというのであれば、自分の論に有利な実例だけを集めるって無能だよ。 実際問題として、似たような接触をPKにしなかった実例なんてそれこそ世界中のトップリーグで映像として証拠に残ってるんじゃないかな。

2016年12月 3日 11:55

匿名(IP:220.96.77.123)

日本レフリー協会?も、アイデアが足りない。
クラブや監督、選手にだけ、現状の判定基準を説明するのではなく、ファンやサポーターにも、こうしますよと、ファンミーティングみたないものをすれば、もっとジャッジに対する見方が変わる。
レフリーも、サッカーのゲームを魅せて作っていく、ひとりの当事者である自覚が足りないように思う。

2016年12月 3日 14:35

匿名(IP:117.102.181.22)

まるで審判批判をする人がみな競技規則を知らないような論調。ちょっと決めつけ過ぎでは?他人に思考を求める人ほど思考停止しているんですよね。
競技規則を知っていても、あれは誤審とまでは言い切れませんが不適切な判定でした。浦和側のPKは取らないなどの90分通して基準が見えないジャッジ。唯一共通してると思ったのは今の代表が目指す激しいデュエルを避けるような判断。Jリーグ最高峰の試合の主審がこれでは日本サッカーの未来が心配になります。

2016年12月 3日 15:41

名無し(IP:49.98.173.16)

PKは解釈でどちらにもなると思うので、あの判定でも仕方がないと思う。

これまで我慢してきましたが、今回のJCS決勝でのあまりにも理不尽な、受け入れがたい記事が多く、と家本氏がFacebookの閉鎖にあたりコメントしているが、PKだけを指していると思っているのだろうか。

これは、ある種自分の下した判定に言及した事になると思うが、
あの試合一つ見ても、両軍(浦和の方が回数が多かったが)多数のハンドの見逃しをしている。浦和のPA内のハンドも見逃ししている。その他のプレーでも、笛の基準がブレていた。自分が批難されている一つ判定だけでなく、試合全体の判定について言及して欲しい。それで、判定が問題ないというのであれば、不適格だと思うので、笛は吹くべきではない。

2016年12月 3日 16:07

匿名(IP:219.35.217.135)

なぜ日本人は批判にビビるの??ブーイングも審判批判も外国じゃ当たり前ですよ。

なぜ批判から目を背けたがるの??それで何が解決するの??

2016年12月 3日 17:56

タンク(IP:182.168.89.169)

自分に都合のよいデータだけ集めても説得力はない。これだけの情報でコラム書く資格なし

2016年12月 3日 23:01

匿名(IP:123.230.90.92)

まず、このシーンとは関係ないホーディングを持ち出すことが間違っている。
このPKが誤診ではない根拠も書かれていないし、浦和側のPA内であったハンド、ハイキックなどとの整合性も論じられていない。
競技規則からすれば阿部選手のバックチャージも赤ではないかという議論にならないと可笑しいだろう。
中立的な立場を取りつつ偏った評論。

2016年12月 3日 23:16

匿名(IP:115.177.174.94)

槙野のホールディング癖にはPK取らないのはなんで?

2017年1月18日 22:34

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