【Jリーグ】今だから明かせるJ2のキーマン対策法。戦術家・北野誠のスカウティングレポート

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今だから明かせるJ2のキーマン対策法。戦術家・北野誠のスカウティングレポートJ論プレミアム

カマタマーレ讃岐を率いて9年、J2でも恵まれない戦力(本人曰く、問題児だらけ)のなかでしぶとく残留を果たしてきた仕事人・北野誠。
選手からの人望も厚く、退任が決定していた昨季ホーム最終節ではJ3降格が決定した試合直後にもかからず胴上げされるという前代未聞の出来事もあった。
現在はフリー(本人曰く、ニート)となり、愛車も手放した(理由は後述)という苦労人をライター・ひぐらしひなつが直撃。
激動の日々を振り返りながら、J2の監督論、戦術論、技術論から、指導した選手や対戦相手の傾向と対策まで、
まさにここだけの話全開のJ2トークをたっぷりお届けする。

(前編:「残留請負人」前讃岐監督・北野誠が語るJ2監督論。魔境を生き抜く極意とは?)



▼ウェリントン、オナイウ阿道、シモヴィッチの対策法とは?

――J2の対戦チームにも突出して強力な選手がいたと思いますが、印象に残っているのは。

トリニータとのルヴァンカップでも見たけど、ウェリントン(アビスパから現在は神戸)ね。1億円プレーヤーでしょ。横で見てた代理人が言うのよ。「北野さんはあれを抑えてたからね。すごいですよね」って。「おい、それはいま言うな。あちこちのクラブ幹部の前で言え」って言ったんだけど(笑)。

――北野さん流のウェリントンの抑え方を教えてください。

コース取り。クロスに対してのコース取りを、CBにずっと言ってた。こういうときにはウェリントンはここに来るから必ずここにいろ、とか。上から来られたらもう仕方ない。それはあきらめろと。その代わり、クロスに対するコース取りをきっちりやる。だからクロスを上げる選手のここを必ず切っておけ、っていう指示を出してた。ウェリントンもそうだし、ラリベイ(2017-2018ジェフ)もそう。デカい選手のときは、クロスのコースと、クロスに対する選手のポジショニングをすっごく言っていた。

――今季はトリニータに来たんですけど、オナイウ阿道選手。彼がレノファ山口でリーグ得点ランク2位になるほど得点できた秘訣は何だったんでしょうか。

三幸秀稔だと思う。三幸がオナイウを通り越して受けて、オナイウに返してたの。だから三幸の走るコースさえ消しちゃえばオナイウは警戒しなくていいよって、山口戦に向けてのミーティングでは言ってたよ。

――ファンマ(2017-2018長崎から今季は大宮)はまた少し違っていたでしょう。

うん。ファンマのほうが難しかった。あと、シモヴィッチ(2016-2017名古屋、2018から大宮)。シモヴィッチは「もう無理」って言ってた。入れられたら終わりだから、とにかくその前段階でボールを入れさせるなって。クロスを上げられないためにサイドにボールをやるなとも言っていた。真ん中を閉めてもどうせ競り負けるから、逆に真ん中よりサイドでしっかり抑えろと。

で、その守備の仕方によってカウンターのやり方を変えてた。真ん中で奪ったときとサイドで奪ったときのカウンターの出ていき方を、前の選手の置き方でね。木島を真ん中に置くのか、サイドに流して賢治を走らせるのかとか。わざとフェイクで一人走らせておいて2列目が受けて、といった方法が、セレッソ戦やザスパクサツ戦のときに成功した。その頃はカウンターに快感を感じてたから、いかに早くシュートまで行くかっていうトレーニングばかりやってたんだよ。相手チームのスカウティングをして、このチームはこことここにスペースができるから、この選手をこっちまで引っ張れとか、そういう指示を出してたの。

自分たちがボールを保持しなくてもこれくらいは運べるぞっていう話をしていて、2016年は特にそれがハマった。前の年にキーパーにシミケンが来たからそういうサッカーを徹底させたんだけど、それである程度結果が出たもんで、次のシーズンに俺も含めてみんながちょっと色気付いちゃった。あれは、割り切ってカウンターだけを研究してやったシーズンだったね。

▼J2で戦った中で一番すごいと思った選手とは?

――長きにわたりJ2で戦った中で、対戦相手も含めてこの選手はすごかったと思うのは。

いま、家長すごくない? あの選手はいま日本でいちばん上手いでしょう。でも以前はJ2の大宮アルディージャにいたんだよ。

――トリニータにいた時期もあって、当時は能力は高いけど使うのが難しそうな印象もありました。

俺は彼をガンバのジュニアユース時代から見てるからね。いまあんな感じになったのは、やっと落ち着いたのかなって。抜群だもんね。淡々とやるけど本当に上手い。

――ロアッソやカマタマーレの選手でもいいし対戦相手でもいいから好きな選手でチームを組めるとしたら、選ぶのは。

それだったら俺は木島良輔(今季2年ぶりにカマタマーレに復帰)。徹也(2015年からカマタマーレ)と兄弟で呼ぶ。あの2人がいるから俺がいるっていうのは、絶対あったと思う。

――ええっ。もっと点が取れて扱いやすい優等生もたくさんいるのにですか。

うん、それでも木島兄弟。良輔ってなんだかんだ言って絶対に結果を残すでしょ。俺はあいつに何回も裏切られてる。サッカーでも、私生活でも。でも、俺はあいつを使うだろうと思う。もう、いちファンとして好きだもん。

――プレーですか、人間ですか。

うーん...プレーかな。あのワクワク感。だって練習中なんてもう、言い合いよ。「お前そういうことすんなよ」って俺が言ったらあいつも「ふざけんな」とか言ってくる。

――監督に歯向かうとは...彼は自分の意思を言葉で表現できるということですか。

うん。言える。で、俺はあいつを全否定する。「ここでは俺が監督だ。お前は監督になってからそれをやれ」って。それでも「だって」とか言ってくるから「だってもクソもねえよ」って(笑)。で、ピッチに出てからのあいつは、ちゃんとチームのやり方に従ってプレーするの。本当にハラを割って話してた。

――木島良輔をトップに置くとき、周囲はどういう選手で固めたいですか。

その選択肢はいっぱいある。対戦相手や状況にもよるし。軸は変えないと思うけど。

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